育つ環境が大事

久々の投稿です。
最近アウトプットの重要性もようやく理解してきたので2017年(以降)はなるべく投稿を増やしていきます。

今回は環境整備について。
アスリートに持つべき要素として、「能力」「感謝」「欲」の3つは必須と考えます。
前回の記事「スポーツやアスリートの存在意義や存在価値」でも同じようなことは述べました。
それで、この3つの要素というのは年齢を追うごとに習得が難しくなってくると感じます。

名著「Now, Discover Your Strengths(日本語版:さぁ才能(じぶん)に目覚めよう)」によれば、人間は1000億個の脳神経細胞を持って生まれ、その神経細胞同士はコミュニケーションを取ろうとしてシナプスを形成し、3歳までに1つの神経細胞につき1万5000個のシナプスを持つようになると言います(本文内では1億5000個と書かれていますが、これは1万5000個の間違いだと思います)。これをピークに15歳までの間に無数のシナプスが失われ、16歳の誕生日には約半数まで回路は減少するそうです。

「利他の気持ち」「負けず嫌い」こういった性格の基盤はそういった時期に形成されると言います。実際に引用の本文内でも強みや資質はここで形成されるとあります。その期間最も関わりが強い人間と言えばそれはやはり親になります。どの学校の先生でもなく、スポーツクラブの指導者でもなく、親です。(または場合によっては祖父母かもしれませんが。)

そしてアスリートの能力、これも後付で形成できるものももちろんあると思いますが、やはり前述の性格と同時期の「経験」が必要だと思います。たくさんの種類の遊びを通していろいろな経験をし、そこから運動というものを学んでいきます。昨今大事だと言われている投げる、打つ、走る、泳ぐ、蹴る、跳ぶなどの基礎的な運動は遊びから得られるものが多いです。多くの文献にもありますが、しかもそれらは強制されれたプログラムではなく、自発的な行動から得るものが質としても量としても一番良いと言われます。

小さいころから野球クラブに所属し投げ方や打ち方を教わったり、水泳クラブで泳ぎ方を教わる人もいるでしょうが、やはり遊びに勝るものはないと思うのです。遊びから運動のコツや身のこなしというものを感じて身に付ける。その上である程度年齢を重ねてから競技へと入っていく。または少なくとも競技と平行して遊ぶ。




遊びには親のステータスも年齢も関係ありません。そんな中から運動の能力だけでなく前述の性格の部分も養われることは請け合いです。もっと高く木に登りたい、誰よりも遠くに石を投げたい、そんな負けず嫌いな性格の形成や、友達を助けたり助けられたりして利他や感謝を覚えることは後の競技には必須になるでしょう。

私は大学時代からこれまでスポーツ科学を学び、効率良い動きだとか、怪我をしない動きなどといったことを追求してきた時間が長くありました(私のこれまでの投稿記事はそんな感じでした)。今でもそれが大事だという考えは変わっていませんし、それはそれで勉強は継続しています。それでも運動の基盤となる部分があるのとないのとでは大きな違いがあることも分かってきました。子供たちには何かきっかけを与えて感じてもらいたいなと思います。

温故知新ではないですが、後付ではなく人間本来の行動を引き出す環境を作っていくということが大事なのだと最近特に感じます。

最後に、冒頭の神経細胞の回路の減少は非可逆性で、一度失われた回路はもう二度と再生できないようです。つまり、回路の減少を防ぐことが重要な鍵となります。では回路の減少はどのようにして可能になるのか。それは刺激を与えることです。刺激はどのように与えられるのか。

私の答えは、「遊び」です。


よく遊びよく学べ とはよく言ったものです。



コメント

このブログの人気の投稿

摩擦の不思議と地面反力を考える

誰のためなのその指導?

スポーツやアスリートの存在意義や存在価値