桶の理論をアスリート形成に当てはめる

先週久々に一つ書いてみたらポンポンとアイディアが浮かんできました。
アウトプットの大切さを早速実感しています。

私の今の業務は運動指導がメインとなっておりますが、そもそもの私のバックグラウンドはアスレティックトレーナーの勉強をしたことから始まりました。学生時代とアスレティックトレーナーとして働いていたときのことを振り返ると、ミクロな視点で身体を観ていたと感じます。今では逆転してかなりマクロな見方ができるように(ようやく)なってきました。前回の投稿「育つ環境が大事」もそんなところから派生したことでした。

現在ではスポーツ科学はかなりの発展を遂げ、20年前には分からなかった多くのことが明るみに出て注目されるようになりました。私が見てきた世界を辿ると古くは肩のインナーマッスルのトレーニングから始まり、コアトレーニング、筋力トレーニング、最近では呼吸、ムーブメント、栄養、筋膜リリースなどなど、多くのスペシャリストがその効果を提供してくださっています。

私自身はどの分野においても秀でた知識も経験もありませんが、どれも大事なことなのでそれらをトータルでコーディネートすることが求められているのだと思います。先日、あるアスリートとこの話題になり、「桶の理論」を思い出しました。

そう、必須アミノ酸の説明で使われるあの「桶の理論」です。
詳しい説明はアウトソースに頼ります。



画像出典:http://animal-nutrition.evonik.com/product/feed-additives/en/about/healthy-nutrition/animal-nutrition/pages/default.aspx

ここでの桶を構成する一枚一枚はアスリートを構成する様々な要素を表すとします。
筋力、持久力、スピード、判断力、動体視力、栄養、頭脳、テクニック、、、
どれか一つの板だけ長くても仕方がないのです。すべての要素を突き詰めてそれをコーディネートすることが大切です。一つの要素や方法論が万能なわけではなく、様々な要素を統合することがアスリートを形成していくのだと思います。

「○○は良いアスリートになるには必要だけども、○○をやったからと言って良いアスリートになれるとは限らない」ということが数多く存在するということです。
大谷選手の目標設定シートからはこういうことにすでに気づいて行動していたんだということが読み取れます。




残念ながら今の私の知識ではどれもずば抜けたものは提供できるとはとても言えないので、私の場合は躊躇わず必要な要素はその道のスペシャリストへと委託することにしています。それが中途半端に自分で全部やるよりははるかに効率が良いですし、結果として選手のためになると思うからです。環境をコーディネートする、そしてそれをどう活用していくかを選手に伝えていく。そんなことが自分の役割なのかなと最近思っています。

もちろん広く浅くと言えども自分の知識レベルの桶を深くしていく研鑽はこれからも積んでいくつもりです。

そしてやっぱり良い桶を作るのは「あそび」だと思う今日この頃です。

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